無性に甘いものが食べたい…その原因は「栄養不足」かも!?

なんだか無性に、ケーキやドーナツ、チョコレートなど甘いものが食べたくなる時ってありますよね。
疲労時やストレスがたまっているときなど、思い当たる節がある方も多いと思います。
特定のものが無性に食べたくなる現象は
“フードクレイビング(Food craving)=食物への渇望” と呼ばれ、単なる空腹とは別の要因があるといわれています。「無性に甘いものが食べたい」という欲求の裏には、なんらかのサインが隠されているかもしれないのです。

ストレスを感じると、ケーキが食べたくなる!?

不安やイライラ、緊張などを感じると、脳は「エンドルフィン」という神経伝達物質を出してストレスを和らげようとします。
エンドルフィンは別名
“幸福ホルモン” ともよばれ、心地よい感覚をもたらしてくれるものです。特に、体にとって大切な栄養源である「糖分」と「脂肪分」を同時に摂るとエンドルフィンの量が増えるといわれており、ケーキやドーナツ、チョコレートのように、甘くて脂質が多いものが食べたくなるのです。

特に糖質は脳にとってダイレクトにエネルギー源となりますから、ストレスによる疲労で甘いものが食べたくなるのは当然といえるでしょう。さらに、甘いものは “抗ストレスホルモン” の一種である「セロトニン」の分泌量も増やしてくれます。不安やイライラを抑えてくれるため、本能的に甘いお菓子が食べたくなってしまうのです。

甘いお菓子は「依存」につながりやすい

ストレスを感じているからといって甘いものを一気に食べてしまうと、血糖値が急激に上昇します。
すると今度は、その血糖値を下げようとしてインスリンという物質が分泌され、急激に血糖値が下がって「低血糖」になります。

低血糖状態の体はますます糖分を欲するので、さらに甘いものが食べたくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
ダイエットやお肌にもよくありませんし、できれば甘いもの以外でストレスを断ち切りたいものです。では、どうすればいいのでしょうか。

タンパク質を補ってストレスに対抗する

カギとなるのが「セロトニン」です。
セロトニンは必須アミノ酸の「トリプトファン」から作られるので、トリプトファンが多く含まれる牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品や、納豆やおから、豆腐などの大豆製品、卵などを積極的に摂るとよいでしょう。ほかにもマグロやカツオなどの赤身魚や、脂質の少ないヒレ肉、鶏胸肉などにもトリプトファンは多く含まれています。果物ではバナナにも多く含まれるため、牛乳や豆乳とバナナで作ったスムージーを飲むのもいいですね。

これらの食品の多くに共通するポイントは、「良質なタンパク質」。
甘いものばかりではなく、きちんとタンパク質も食べることで
“幸せホルモン=セロトニン” のもととなるトリプトファンが摂取でき、ストレスが減らせるのです。逆にいえば、「タンパク質不足がセロトニン不足につながり、ストレスを感じやすくさせている」可能性もあるでしょう。だからこそ、まずは食事を見直してみるのがいいのです。

もしかして「隠れ貧血」かも?

甘いものが無性に食べたい状態が続く場合は、ストレスやタンパク質不足の他にも「貧血」を疑う必要があります。
特に月経のある女性は「5人に1人が貧血状態」ともいわれ、気づかないうちに鉄分が不足している可能性が高いのです。

どうしても甘いものがやめられない場合は、日頃から意識して、レバーや赤身肉、しじみなどに含まれる「ヘム鉄」を摂取するのもおすすめです。
意識してもなかなか摂取するのが難しい場合は、サプリメントにも頼りましょう。

ココロの健康も、カラダの健康も、まずは良質な食事から。インナーケアを充実させ、内側からヘルシーな美を目指したいものです。