キレイが育つ!秋の夜長の「睡眠美容」とは

気温がぐっと下がり、夜がずいぶんと長くなりました。
寝苦しさがなくなった今の時期こそ、美しさの源である「睡眠」に目を向けてみませんか。

成長ホルモンが美を呼び覚ます

ぐっすり眠れた翌朝は、なんだかお肌の調子がいい気がする……そう感じたことのある人は多いでしょう。
実はこの感覚、しっかりした科学的根拠があるのです。カギは「成長ホルモン」。入眠して最初の90分で深く眠れると、細胞の新陳代謝をうながす成長ホルモンが大量に分泌されます。

成長ホルモンとはその名の通り、骨や筋肉などを成長させてくれる大切な存在。ほかにも体内の水分を保持してハリを保つ、皮膚のターンオーバーを促進してシミ・シワ予防など、あらゆる美容とアンチエイジングに欠かせないホルモンです。成長ホルモンは30歳を前後に減少していきますから、質の良い睡眠でしっかり分泌をうながすことが大切です。

「お肌のゴールデンタイム」には根拠がない

以前は「22時~2時がお肌のゴールデンタイム」ともいわれていましたが、実はこの説には科学的根拠がありません。成長ホルモンの分泌には「入眠後、最初の90分に深く眠ること」が重要ですから、眠りに入る時間よりも眠りの質が大切。何時に寝たとしても、最初に深い眠りがとれていれば成長ホルモンは分泌されるのです。

忙しい現代人にとって、毎日22時にベッドに入るのは至難の業。「寝るのが遅くなったからお肌に悪い」と焦る必要はありません。入眠直後に深く眠れるよう、環境を整えていけばいいのです。

成長ホルモンの分泌をうながす「メラトニン」

では、入眠直後に成長ホルモンをたっぷり分泌させるには、どうすればいいのでしょうか。

それにはもうひとつのホルモン「メラトニン」がカギを握っています。
メラトニンは睡眠ホルモンともいわれ、夜にかけて自然な眠りをうながしてくれる存在。強い抗酸化作用をもち、老化につながる活性酸素を除去したり、成長ホルモンを分泌させてくれる存在でもあります。こちらも、美と健康には欠かせないホルモンです。

メラトニンは朝陽の光を浴びてから14〜16時間後に分泌されはじめます。
朝7時に起きて太陽を浴びた人は21~23時頃からメラトニンが分泌され、自然に眠くなる…というわけですね。

「幸せホルモン」を補給すれば、ぐっすり眠れる

メラトニンをしっかり分泌させるには、原料となる「セロトニン」を日々の生活で補う必要があります。セロトニンは安心感や幸福感をもたらす「幸せホルモン」ともよばれ、日光浴や運動、スキンシップなどで活性化されることが分かっています。特にウォーキングなど一定のリズムで行う軽めの運動は、セロトニンの分泌を高めてくれるため、毎朝15分早く起きて一駅分歩くのもいいですね。

食事からセロトニンを増やすには、バナナや鶏肉、乳製品、卵や豆腐、納豆や、ヒレ肉、マグロ・カツオなどの赤身に含まれる「トリプトファン」を摂取することが大切です。最近流行りのアーモンドミルクもトリプトファンを多く含んでいるため、牛乳の代わりに飲んでみるのもおすすめです。気をつけたいのが、コーヒーなどに含まれるカフェイン。カフェインにはメラトニンの分泌を妨げる作用があるため、18時以降は控えましょう。

1日の始まりには、しっかり朝日を浴びて

メラトニンは明るい光でリセットされますから、夜になったら部屋の明かりを落とし、スマートフォンを見るのはなるべく避けて脳をリラックスモードに持っていくことが大切。逆に朝は意識してカーテンを開け、明るい光を浴びてメラトニンの分泌をストップさせることでスッキリ目覚められます。

結局は、朝起きて日中はしっかり活動し、夜はリラックスモードに…という1日のリズムを整えることが、質の良い睡眠につながるのですね。内側からの美に欠かせない「睡眠」。涼しくなった今だからこそ、メリハリのある生活を心がけ、その効果を最大限に引き出しましょう。